股関節の痛み

股関節とは足の付け根にある関節で、「寛骨臼」と「大腿骨頭」から構成されています。
寛骨臼はお椀のような形をしており、球体型の大腿骨頭がはまり込むような形で連結されています。

股関節は骨盤と大腿骨を繋ぐ部分になり、身体の体重を支えています。
歩く・立つ・座るなど日常の動作を行う際に身体へかかる負荷をクッションのように和らげる役割があります。

股関節痛が起こる原因は、「病気やケガの場合」と「日常生活動作が原因の場合」に分けることができます。
それぞれどのようなことが原因で股関節の痛みが生じているのでしょうか？

●病気やケガの場合

・変形性股関節症

股関節が変形することで生じる股関節の痛みです。
中高年の女性に多く発症します。
原因の一つとして、閉経によるカルシウム不足や、加齢にともなう筋力不足、栄養不足が考えられます。

・オーバーユース

スポーツで股関節を使いすぎると、股関節の周辺に痛みを生じることがあります。
筋肉といった組織の炎症や損傷が原因です。
サッカーやランニングなど股関節に負担のかかるスポーツで生じやすいケガです。

・婦人科系の病気

子宮筋腫や子宮内膜症など婦人科系の病気により、股関節に痛みを生じることがあります。

●日常生活動作が原因の場合

臀部まわりの筋肉が緊張し、硬くなることで神経が圧迫されて股関節周辺に痛みを生じることがあります。
日ごろの不良姿勢や長時間の同一姿勢、偏った筋肉の使い方などが原因で臀部の筋肉の緊張を起こします。
とくにデスクワークや車の運転では臀部まわりに大きな負担がかかるため、股関節痛が生じやすくなります。

●変形性股関節症

変形性股関節症のおもな症状は、股関節周辺の痛みと動かしにくさです。
初期症状では、歩き始めや立ち上がった際に足の付け根に痛みやこわばりを覚えます。

そして、症状が進行すると、痛みが強くなっていきます。
夜間痛によって眠れなくなることや、日常の些細な動作でも痛みが生じることもあります。

●オーバーユース

オーバーユースによる股関節痛の場合、炎症によって痛みだけではなく患部に熱感が生じることもあります。
また、腫れをともなうケースもあります。

●婦人科系の病気

婦人科系の病気が原因の場合、股関節痛以外にも婦人科系のトラブルによる症状がともないます。
激しい生理痛や生理不順、不正出血などを生じることがあります。

●坐骨神経痛

臀部の筋肉が硬くなることで坐骨神経が圧迫され、坐骨神経痛が生じます。
坐骨神経痛とは、お尻から太もも裏、足にかけて痛みやしびれをともなう症状です。
長時間座っているときや前屈みになったときなど、坐骨神経の圧迫が強まったときに症状が現れる傾向にあります。

●急性の痛みは安静にして冷やす

急性の股関節の痛みの場合は、患部が炎症を起こしていることや損傷していることが考えられます。
無理に動かすと症状が悪化するケースがあるため、安静にしましょう。

また、患部まわりを冷やして応急処置を行うことも大切です。
冷やすことで炎症が抑制されると痛みの緩和や早期改善に繋がります。

●慢性の痛みは温める

慢性的な股関節の痛みの場合には、温めることが効果的です。
臀部の筋肉が緊張して硬くなっているため、温めることで血行が促進されると筋肉の緊張の緩和が期待できます。
入浴やホットパックなどで温めましょう。

●股関節まわりをストレッチする

股関節まわりの筋肉をストレッチで柔軟にすることは、神経圧迫の緩和されることが期待できます。
おもに股関節や腰、大腿部などをストレッチしましょう。
次のようなストレッチがおすすめです。

①腰に手を当てて立ち、右足を大きく前へ出す
②左足は残したまま、姿勢をまっすぐにして腰を落とす
③深呼吸しながら、前足の膝が直角になるまで腰を落とす
④そのままの姿勢で10秒キープ
⑤反対側も同様に行い、繰り返し2～3セット行う

●痛みが強い場合は医療機関へ相談する

股関節の痛みが強い場合は、病気やケガが隠れている可能性があります。
医療機関で相談し、検査を行いましょう。

●股関節まわりの筋肉を鍛える

股関節まわりの筋力を鍛えることで、骨や軟骨への負荷軽減に繋がります。
股関節まわりを鍛える方法では、スクワットがおすすめです。
スクワットでは肩幅に両足を広げ、背中を丸めないようにしてお尻を真下に落とします。
膝がつま先より前に出ないように注意しながらスクワットを行いましょう。

●適度な運動を行う

痛みがあるからと足を動かさずにいると、血行不良によって股関節周辺の筋肉が硬くなり、関節の可動域が狭くなってしまいます。
適度な運動を習慣的に行うようにしましょう。
ウォーキングでは股関節周辺を動かすことで、筋肉の柔軟性と筋力の向上が期待できます。

●正しい姿勢を心がける

常に姿勢が悪い状態が続くと、骨盤のゆがみから股関節周辺に過剰な負担がかかりやすくなります。
日ごろから姿勢を正すことを心がけるようにしましょう。

●長時間の同一姿勢を避ける

デスクワークや車の運転などで長時間の同一姿勢がつづくと、臀部の筋肉の緊張が起こりやすくなります。
長時間の同一姿勢を避け、途中で休憩を挟み姿勢を変えるようにしましょう。

歩いているときに股関節が痛くなる、足を持ち上げると股関節に痛みが出てしまうことはありませんか？
股関節は普段の生活動作や運動などで重要な関節となります。
股関節が痛む原因はさまざまありますが、多くは疲労の積み重ねで腰周りや股関節周りの筋肉、足の筋肉が固くなることによる血流不足だといわれています。

当院では、患者様の股関節の痛みに合わせて手技療法や電気療法を行い、固まってしまった筋肉を緩めていきます。
筋肉の緊張によってゆがんでしまった骨盤や身体を、姿勢矯正や骨格矯正で整えていきます。
痛みが改善したあとは、ご自宅でできるストレッチなどのケア方法をご提案させていただき、痛みを繰り返しにくい身体作りをサポートします。

股関節の痛みは骨の変形や婦人科系の病気などが原因の場合もありますので、症状によっては病院や整形外科へ紹介状を発行させていただきます。
股関節の痛みでお悩みの方はぜひ当院へご来院ください。