ぎっくり腰

ぎっくり腰は、「急性腰痛症」という正式名称があります。
腰まわりの筋肉や靭帯などの組織が急性の炎症を起こし、強い痛みが生じます。

しかし、ぎっくり腰が起こる原因の多くは明確になっていません。
日常生活のなかで蓄積された筋肉の疲労が、あるとき突然限界を超えることが原因で発生すると考えられています。
筋肉の疲労を起こす要因には次のようなことが挙げられます。

●身体のゆがみ

身体にゆがみがあると筋肉のバランスが崩れ、身体の土台部分の腰には負担が大きくかかります。
その結果、腰まわりの筋肉の緊張が強まり、ぎっくり腰に繋がります。
身体のゆがみが生じる原因は、普段からの不良姿勢や偏った筋肉の使い方が挙げられます。

●ストレス

ストレスがあると自律神経に乱れが生じ、その乱れは血液循環に影響を与えます。
血液循環が悪くなると筋肉が緊張しやすくなり、ぎっくり腰に繋がります。

●生活習慣の乱れ

私たちの身体は睡眠をとることで1日の疲労を回復しています。
しかし、偏った食事や運動不足、寝不足やストレスなどで生活習慣が乱れると、 十分な休息を得られず疲労が身体に蓄積されてしまいます。
この疲労が溜まることによって、ぎっくり腰へと繋がると考えられています。

ぎっくり腰のおもな症状は、腰の強い痛みと可動域の制限です。
2～3日で強い炎症は軽減していき、1〜2週間で自然と痛みが改善されていくケースが多くみられます。
ぎっくり腰の具体的な症状は次のとおりです。

●腰の強い痛み

慢性腰痛とは異なり、ぎっくり腰では激しい痛みをともないます。
その場から動けないほど強い腰痛で、歩行が困難になることもあります。
咳やくしゃみをするだけでも腰に痛みを感じることがあります。

●腰まわりの可動域の制限

強い痛みにより、腰まわりの動きが制限されます。
「腰を曲げる」「曲げた状態から背中を伸ばす」「寝返りを打つ」ことが難しくなります。

ぎっくり腰の多くは1週間~ 2週間程度で自然に回復していきます。
しかし、この期間を過ぎても痛みが引かない場合や、痛みが強くなる場合は、何らかの病気が隠れている可能性があります。

その場合はすぐに医療機関で相談しましょう。
腰に痛みを感じる病気には、「脊柱管狭窄症」や「椎間板ヘルニア」「脊椎すべり症」などが挙げられます。

これらの病気は腰痛だけではなく、臀部や下肢しびれｙ痛みなどがともないます。
また、内臓疾患がある場合にも腰痛が症状として現れることがあります。

●急性期

・安静にする

受傷直後の急性期は、炎症が強い時期です。
動かさず、安静にするようにしましょう。
無理に動かすことで炎症が拡大し、症状の悪化や回復の遅れの原因になります。

・冷やす

急性期は患部を冷やすことで炎症が抑制されるため、痛みの緩和が期待できます。
炎症が強い時期は発症直後から2～3日の間です。
この時期ではアイスパックを使って冷やすようにしましょう。
冷やす際にはアイスパックをタオルに巻いて使用し、10分程度冷やして様子をみてください。

●慢性期

・腰まわりを温める

急性期には動かさずに安静にすることが大切なため、慢性期に入るころには筋肉や関節が硬く柔軟性の乏しい状態となっていることが多いです。
入浴で腰まわりを温めて血行を促進し、柔軟性を取り戻しましょう。

・無理のない範囲で動くようにする

ぎっくり腰は安静にしすぎていると、筋肉が緊張することで慢性腰痛や再発が生じやすくなります。
慢性期は無理のない程度に少しずつ動かしていきましょう。
腰を左右に伸ばす、ひねるなど簡単なストレッチから始めることがおすすめです。

●生活習慣の乱れを改善する

ぎっくり腰の多くは身体の疲労が蓄積されて発生します。
そのため、身体に疲労を蓄積させないようにすることが大切です。
バランスの良い食事や適度な運動、良い睡眠をとるために就寝時間と起床時間を決めるなど、ストレスのかからない範囲で日々の生活に取リ入れていきましょう。

●適度な運動を習慣にする

適度な運動は全身の血行を促進します。
また、筋力を高めることにも繋がるため、腰の負荷の軽減が見込めます。
ウォーキングは簡単で継続しやすいためおすすめの運動です。

●ストレスをためないようにする

ストレスがあると血行不良が生じやすくなり、疲労が蓄積されやすくなります。
ストレスは日ごろからこまめに発散するようにしましょう。
入浴や運動はストレス発散になるだけではなく、血行も促進することができるためおすすめです。

●腰まわりのストレッチを行う

腰まわりの筋肉が緊張していると、負担がかかりやすくなることで疲労しやすくなります。
腰まわりのストレッチを行い、日ごろから腰まわりの筋肉や靭帯の柔軟性を高めるようにしましょう。

ぎっくり腰には腰からお尻にかけてストレッチを行うことがおすすめです。
イスに座って片膝の上に反対側の足首を乗せ、上半身を前に倒していくことで、腰とお尻の筋肉をストレッチできます。
脚を左右入れ変えて、各10秒行いましょう。

朝顔を洗おうと屈んだら腰が痛くなった、床にある荷物を持ち上げようとしたら腰が急激に痛くなり動けなくなった…という経験はありませんか？
このような腰痛は「ぎっくり腰」と呼ばれます。

ぎっくり腰とは、日常生活での筋肉疲労や悪い姿勢、運動不足による柔軟性低下などにより、血流の悪い状態に急な動きや力が加わることによって筋肉や関節が炎症を起こしてしまっている状態です。
「時間が経てば動けるようになる」といった理由で放置してしまう方も少なくありません。
安静にしていれば痛みも徐々に緩和しますが、根本を改善しないでいると、何度も繰り返してしまったり、腰痛を起こしやすくなってしまいます。

当院では、ケガの発生直後で炎症が強い時期は、アイシングや特殊電気療法により炎症を抑えます。
また、ケガの直後は安静も重要となるため、テーピングやサポーターでの補助もご提案させていただきます。
慢性期には、筋肉の血流改善のための手技療法や電気療法、姿勢改善の矯正を行います。
状態を見ながらストレッチや筋肉トレーニングなどを並行して行い、ぎっくり腰を繰り返さない体作りをサポートさせていただきます。

突然の腰の痛みでお悩みの方は一度当院までご来院ください。