固定療法

固定療法とは、包帯やテーピングなどで患部が動かないように固定し、自然治癒力を高めていく施術になります。

●患部の圧迫、固定

骨折や捻挫、肉離れといった外傷時に固定療法を施すことで、患部の「圧迫」「固定」を目指します。

・圧迫

患部を圧迫することで、内出血による腫れを抑えられるといわれています。

・固定

損傷を悪化させないように、患部を安静に保ちます。

●ケガの予防

固定療法で関節の動きを制限すると、脱臼や捻挫といった関節に起こる負傷の予防につながります。
おもにスポーツや肉体労働時に活用されます。

●運動時の不安要素の解消

一度ケガを経験すると、「またケガをしないだろうか？」と不安になり、身体の動きに制限が出る場合もあります。
固定療法で関節や筋肉を保護することによって、ケガへの不安要素の解消が期待できます。

●テーピング

・ホワイトテープ

非伸縮性テープとも呼ばれ、もっとも固定力のあるテープです。
関節を完全に固定したい場合に使用されます。

・キネシオテープ

筋肉の動きをサポートするために使用されるテープです。
筋肉や皮膚の伸縮率に近い設計になっています。

●包帯

・綿包帯

非伸縮性の包帯です。
患部をしっかり固定したい場合に使用されます。

・弾性包帯

伸縮性のある包帯です。
伸び縮みするため、綿包帯ほどの固定力はありません。
負傷から2、3週間後を目安に、患部を動かしていきたいタイミングで使用されます。

そのほかにも、次のような固定具を使用する場合があります。

・コルセット

頸部や腰部を固定する道具です。
ぎっくり腰やむちうちの際に使用されることが多いです。

・プライトン、レナサーム

おもに骨折や捻挫時に使用される、ギプス包帯です。
お湯につけるとやわらかくなり、冷えると固まる特性があります。

固定療法では、テーピングや包帯などを用いて、関節、筋肉を固定します。
それでは、具体的に固定療法はどういった場面で活用されているのでしょうか？
ケガの処置はもちろんのこと、疲労回復やスポーツのケガ予防のためにも使用されることがあります。

●外傷の疼痛緩和

固定療法で「圧迫」「固定」を施すことにより、疼痛の緩和と患部の治癒力促進が期待できます。

・圧迫

腫脹の広がりを抑え、痛みの改善を早めることが期待できます。

・固定

患部を安静にし、悪化を防ぐことが期待できます。
とくに骨折や捻挫、肉離れといった急性の外傷時に固定療法は効果的です。

●リンパ液、血流の促進

あえてシワができるようにキネシオテープを貼る方法があります。
シワによって筋肉や皮膚の間に余裕ができ、スペースがあることで血液やリンパが流れやすくなるといわれています。
血流が改善し、老廃物の排出が促されることで、むくみの解消や疲労回復が期待できます。

●ケガの予防

捻挫や脱臼は、関節が大きく動かされることで発生するといわれています。
そのため、テーピングや包帯で関節の動きを制限しておくと、ケガの予防へとつなげることができます。

●ケガへの不安解消

ケガへの不安から、スポーツ時に思い切ったプレーをできなくなる場合があります。
ケガへの処置や予防の目的以外にも、スポーツ動作への安心感を生むために固定療法で筋肉や関節を保護する場合もあります。

当院では、ケガの状態により包帯やテーピング・ギプス包帯での固定を行います。

包帯固定は、患部を安静に保つ効果や、全体的に均等に圧迫して患部の症状を緩和する目的があります。
足首の固定を行ったまま適度な歩行や他の部分の関節運動を行ってもらうなど、固定と合わせて早期からリハビリを行うこともあります。
また、プライトンやレナサームといった熱可塑性を持った固定材料を併用や、ぎっくり腰などの急性腰痛では痛みが強い場合にコルセットとテーピングを使用することもあります。

テーピングは、患部周りの筋肉の補助や内出血やリンパ液の流れを促進する効果があります。
ケガの予防・応急処置・再発の予防など、リハビリや復帰時期のタイミングに合わせた処置を行います。
関節の動きを制限したり補強することによって、痛みによるパフォーマンスの低下を防ぐことができます。
スポーツなどの大会前のテーピングも行えますので、お気軽にご相談ください。